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新しいレシピを考えたときは、お客さんに出す前に必ず味見をして、正しい材料が使われているか確認したいですよね。

ソフトウェア開発でも、これと全く同じことを 「CI/CD(継続的インテグレーション / 継続的デリバリー)」 を使って行います。開発者がコードを変更するたびに、自動テストパイプラインがプログラムをビルドし、バグがないかチェック(静的解析/型チェック)し、テストを実行して、本番環境へデプロイします。

通常、開発者はGitHub Actionsなどの外部ツールを使いますが、もしあなたが大手SaaSプラットフォーム(ウェブ作成ツールやホスティング会社など)を運営していて、数百万人の顧客のコードリポジトリに対してビルドやテストを実行しなければならないとしたらどうでしょう? 数百万台の孤立したビルドサーバーを管理するのは、莫大なコストと手間がかかる悪夢です。

これを解決するため、Cloudflareはグローバルネットワーク上で直接、大規模なCI/CDを実行できる新しいネイティブ機能を発表しました。その仕組みを分かりやすく解説します。

Cloudflare CI/CDを支える3つの柱#

CloudflareのネイティブCI/CDシステムは、以下の3つのコアツールを組み合わせることで、重たい外部ビルドサーバーを不要にします:

  1. Artifacts(成果物・ライブラリ):数百万ものコードリポジトリを効率的に保存・管理するために設計された、Gitネイティブなバージョン管理付きストレージ。
  2. Cloudflare Workflows(コーディネーター):ビルド手順(ステップ1:コード取得、ステップ2:テスト、ステップ3:デプロイなど)を制御する実行エンジン。
  3. CI SDK(サンドボックス):安全に隔離された環境(サンドボックス)でビルドやテストを実行するためのSDK(@cloudflare/ci)。
graph TD
    CodeCommit[📝 開発者がコードをプッシュ] --> Artifacts[📦 Cloudflare Artifactsに保存]
    Artifacts --> Workflows[⚙️ Cloudflare Workflowsの開始]
    Workflows --> Sandbox1["🧪 サンドボックス1: 静的解析&テスト"]
    Sandbox1 -- 成功 --> Sandbox2["🏗️ サンドボックス2: ビルド&コンパイル"]
    Sandbox2 -- 成功 --> Deploy["🚀 Cloudflare Workers / Pagesへデプロイ"]
    Sandbox1 -- 失敗 --> AI[🤖 AIエージェントが自動で修正を試みる]

何が画期的なのか?#

1. 複雑なYAMLファイルからの解放#

難しくてデバッグしにくいYAML設定ファイル(.github/workflows/main.yml など)を書く代わりに、使い慣れた TypeScript を使ってビルドパイプライン全体を書くことができます。ループ処理や条件分岐など、普通のコードを使ってビルドを細かく制御できます。

2. AIとの親和性(自動修復パイプライン)#

ビルド処理がCloudflare上のWorkflowスクリプトとして動作するため、AIモデルとの連携が非常に簡単です。テストが失敗した際、エラーログをAIエージェントに自動で渡し、AIがコードを修正してコミットし、再度テストを走らせる、といった「自動修復」を人間を介さずに行うことができます。

3. プラットフォーム向け設計#

独自のSaaSプラットフォームを構築している開発者は、顧客のためにKubernetesクラスターなどの複雑なビルド環境を用意することなく、顧客向けのビルド&デプロイ処理を実行できるようになります。リソースの確保や分離はすべてCloudflareが裏側で処理します。

まとめ#

CI/CDをCloudflareのグローバルネットワーク上で直接実行することで、高速で拡張性が高く、AIに対応した開発パイプラインが手に入ります。静的なYAML設定から、柔軟で自己修復可能なコード自動化へと開発環境が大きく進化します。

参照#